2012年02月09日

「世界を変えた10冊の本」⑥ 「道標(みちしるべ)」

 ウサマビンラディンが教本とした、サイイド・クトゥブが記したイスラム教を極端に解釈した理論書が

「道標」です。

 1954年エジプトのイスラム教徒の大組織「ムスリム同胞団」の一人がエジプト大統領の暗殺を計画し、
失敗しますが、それにより、同胞団のメンバーの大勢が逮捕されました。
 その逮捕された一人が、サイイド・クリフでした。彼が、獄中で記したものが、「道標」で、その後
釈放されましたが、「道標」は発禁となり、1966年に処刑されました。

 クトゥブは「イスラムこそが救いた」と現代はイスラムの理想が失われてしまったのに、イスラム教徒たちは自分たちの世界を「イスラームの世界」などと思い込んでいる。これを正さなければならないというのです。イスラム世界の腐敗した体制を打倒することは、「神の道」であり、正義の戦いである。
 つまり「ジハード」なのだ。ということになります。

 ムスリム同胞団は、イスラエルを認めておらず、
神の「唯一絶対性」を主張し、全ての主権は「神」のみにあるとしています。

 よって、キリスト教の「三位一体」父なる神、神の子として地上に遣わされたキリスト、聖霊は一体であるという考えは否定されています。
 私たち人間の主権も否定しています。

 現代のエジプト「自由公正党」やパレスチナ過激派ハマスなどはこの考えなのです。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 10:40