2012年02月15日

「世界を変えた10冊の本」⑧ 「種の起源」

 1835年イギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンは、ガラパゴス島にたどり着き、そこで見聞したことから、「種の起源」を書きました。

 彼は、父は裕福な開業医、母は有名な製糖会社ウェッジウッドの創業者の娘との間に1809年産まれました。

 ガラパゴス島にたどり着いた航海の体験を「ビーグル号航海記」として記し、その後1859年に「進化論」を訴えた「種の起源」を上梓します。

 旧約聖書によれば神は6日間で世界を創造し、あらゆる生き物を創造し、自らの姿に似せて人間も創りだしました。もし、それが真実ならば、多様な生き物はすべて、創りだされた当時のままの姿のはずです。ダーウィンは様々な生き物を注意深く観察すると、少しずつ変化することで、多様な種が産まれたのではないかと考え、「地球上の生き物は、神が創造したものではなく、自然界で「進化」したと宣言しました。

 これは、多くの学者から絶賛、支持されましたが、反面宗教会からは批判を浴びせられ、論争になったのです。

 キリスト教徒の中には、全く受け入れない者や、「インテリジェント・デザイン」という神の設計によって生き物は進化しているという理論で受け入れる者などがいます。

 また、ダーウィンは「選り抜かれた個体は、質の劣る個体よりもたくさんの子孫を残ることになるはずである」という考えを示しました。
 また、闘争に勝てなければ「自然淘汰」されてしまうとも言っています。

 この考えが、マルクスの「資本論」にも影響を与え、激しい生存競争の中で生き抜いていく姿はまさに資本主義経済の企業を彷彿とさせたようです。
 また、弱い立場の者への社会福祉を否定することにつながりました。
白人たちがアジアやアフリカで先住民を支配することを正論化する理論にもなりました。

 自由放任主義・弱肉強食の社会への根拠になって行ったのでした。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 07:22