2017年03月31日

近代歯科医学の父

 フランスの歯科外科医ピエール・フォシャールは、1728年(江戸時代の中期、赤穂浪士の討ち入りの約25年後)に『歯科外科医』 “Le Chirurgien Dentiste”を発刊した。それまでの歯科は、徒弟制度で技術を習うことが多く、日本の香具師のような、旅をしながら人を集めて歯を抜く「歯抜き屋」もいた。
彼は、フランスで歯科を専門とする外科医として開業し、有名であった。彼は、自分の臨床経験を加えて当時の歯科医学を体系化したため、「近代歯科医学の父」と呼ばれている。この本は、ドイツ語・英語・日本語にも翻訳され、世界の歯科医学の原典となった。第二版(1746年刊)においては、総入れ歯についても記述している。

 
  


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2017年03月30日

医科、歯科の始まり

 日本の医療の始まりは、古墳時代(大和時代)400年頃新羅から金武、百済から徳来という医師の渡来からといわれている。
その後、仏教の伝来とともに、僧侶が医学を伝えるようになる。
大化の改新を契機にその当時大陸に派遣されていた遣唐使によってもたらされた唐の制度にならい、701年(大宝元年)に大宝律令が編纂される。これによりわが国は法治国家としての形を整えてゆく。
 この大宝律令に含まれる制度のうち21番目に、日本で最初の医療制度である「医疾令」(イシツリョウ)が定められた。医療に携わる医師を政府が養成し、諸国に配置して医療に従事させようというもの。大療(内科)創腫(外科)耳目口歯(耳鼻歯科)などが登場し、初めて歯科の文字が出たことになる。具体的には13~16歳の医師の子弟40名を医学生として選抜し、厳しい試験を課して中央政府や地方行政機関に配属していくもの。部門ごとの修学年限や定員は、内科および鍼灸が7年で12名、外科・小児科が5年で3名、耳鼻科・眼科・歯科にあたるものが4年、按摩や呪術にあたるものが3年など。これは、我が国の最初の医療制度であり画期的なものであった。
  


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2017年03月29日

古代の入れ歯②


 これと似たようなものは5000年くらい前のものとしてギーザのピラミッド付近からも発見されている。これらは歯が抜けないように隣の歯に縛りつけたもので、金の帯状の板で両隣の歯を土台とし、天然歯に縛って固定し、歯のない部分を補ったブリッジタイプの入れ歯もあった。
入れ歯は、容貌や発音の回復のために作られ、当時の権力者がその権威を保つためや貴婦人たちは、口元の引っ込みを回復し容貌を保つために、装飾用の入れ歯を作り食卓では取りはずしていたことが想像できる。入れ歯に関する話題は、当時、礼儀に反することとされていた。

 

  


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2017年03月28日

古代の入れ歯①


 数千年以前の昔でも、虫歯や歯周病により、または、摩耗・咬耗で歯がすりへり歯の神経が露出するなどにより、抜歯がおこなわれていた痕跡がみられる。
地中海周辺の古代フェニキアのシドン(現在のレバノン・サイダ市)では、紀元前5世紀頃の墓から、下の前歯を金の針金で結んで固定したものが発掘されている。



  


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2017年03月27日

なぜ虫歯ができてしまうのか?終  意外

 キシリトール入りのガムや飴は、その代替え甘味料のために、虫歯にならないとされてきましたが、

 実は、コストの関係でキシリトールは60%程度しか使われておらず、

 補てんとして、砂糖成分が使われておれば、(実際がこれ)

 キシリトールの効果は打ち消されるそうだ。


 100%キシリトールか、砂糖成分無使用かをよく確認する必要があるようだ。  


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2017年03月24日

なぜ虫歯ができてしまうのか?⑧

 フッ素は、フッ化リン酸カルシウムという硬い歯質を作ることに効果があり、

 口の中のPHを高く保つ効果もあるため、非常に有効と言えます。

 市販の低濃度のうがい薬や、歯磨き粉は安心して使えます。

 
  


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2017年03月23日

なぜ虫歯ができてしまうのか?⑦ 傑作

 虫歯になりやすい歯の部位

 歯と歯の間によく虫歯ができる人は、ジュース、缶コーヒー、スポーツドリンクを多飲していることが多い。

 歯頚部によく虫歯ができる人は、飴か、ガムが原因。
 
 咬合面によく虫歯ができる人は、頻繁に飲食をしている。  


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2017年03月22日

なぜ虫歯ができてしまうのか?⑥

 あるご老人が、70歳までは虫歯があなりなく来ていたが、最近歯が良く折れるとのことでした。

 やや認知症気味でもあります。

 しかし、週ごとに歯が折れるなんて起こりにくいことです。

 よくよく聞いてみると、

 一日に15粒ほど入った飴を毎日食べる習慣になっているとか。

 これでは、虫歯は防げませんね。

 
  


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2017年03月21日

なぜ虫歯ができてしまうのか?⑤

 結論を先に言ってしまうと

 ブラッシング指導よりももっと大切なことがあり、

 それは、

 虫歯になる原因は、1日に何回飲食するかということです

 

 これは、ステファンカーブといって、

 飲食するたびに、口の中のPHが酸性に傾き、

 歯の表面を溶かす(脱灰する)ことを示しているのです。
  


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2017年03月17日

なぜ虫歯ができてしまうのか?➃

 プラーク(歯垢)(細菌)では、

   プラークが多く不潔になっている

   虫歯菌中心の細菌叢である

   虫歯菌が増殖している

   最近の活動が活発

 
 食物(糖質)では、

   糖分の多い食生活

   糖分の多い嗜好品

   食べかすが残っている


 時間では

   歯に付着、停滞する時間が長いくなる


  などが考えられます。
     


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2017年03月16日

なぜ虫歯ができてしまうのか?③

 要因のうちの、歯質(歯や生体)については



 口腔環境を悪くする疾患がある
 
 歯列不正があるため清掃困難

 歯の形態が複雑で清掃困難

 唾液量が少ない

 歯質が弱い

 歯石の付着がある

 口呼吸をしている

 修復物に隙間がある

   


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2017年03月15日

なぜ虫歯ができてしまうのか?②

 虫歯とは、

 歯に付着した細菌が産生する酸によりプラーク内の酸性度が長時間にわたって歯質の臨界PHを超え、

 脱灰、再石灰化のバランスが崩れて脱灰が進む疾患です。


 要素で言うと、

 歯質、プラーク(細菌)、食物(糖質)と時間

 から成り立ちます。


 ちょっとむつかしいですか。  


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2017年03月14日

なぜ虫歯ができてしまうのか?①

 歯科で治療する主な疾患は、

 虫歯、歯周病、顎関節症です。

 2大疾患と言えば、虫歯と歯周病です。

 虫歯は、過去に比べると激減しています。

 しかし、 虫歯ができる人はできるのです。

 虫歯ができないように努力しているのに、できてしまうのです。

 それは、なぜか? について考察していきます。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 08:13

2017年03月13日

唾液の働き

 唾液の働きを説明します。


 ①消化を助ける      唾液中の酵素がでんぷんを分解して胃で消化しやすい状態にする

 ②呑み込みやすくする  唾液中のムチンが食べ物をしめらせ、滑らかにする

 ③洗浄作用        食べかすを洗い流し、口臭を抑える

 ➃味覚を感じる      食べ物の味物質が唾液に溶け、舌と反応し、甘いなどの情報を脳へ伝える

 ⑤活性酵素を減少させる   食べ物内の発がん物質が作り出す活性酵素を分解する

 ⑥老化防止        唾液中のパロチンは筋肉や骨の発達を促進する  


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2017年03月10日

8020運動(ハチマルニーマル)

 日本歯科医師会、厚労省は 80歳になっても20本の歯を残そう という8020運動を行っています。

 直近のデータでは、その達成者は約40%となったそうです。


 自分の歯が20本より少なくなると、嚙む力が低下して、柔らかいものしか食べられなくなります。

 そうなると、パンやおかゆのような炭水化物が多くなって、糖尿病や肥満に、または、栄養不足になったりするのです。


 自分の歯が11本以下になると、「おいしい」という味覚も衰えていくのです。


 まさに、歯は命です。  


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2017年03月09日

歯の寿命の延ばし方

 サンデー毎日2016年11月20日号から。

 ①歯ぎしりを防止する     睡眠中の歯ぎしりは起きている時より約6倍の力でかみ合わせているので、これを予防する。
    
      これには、マウスピースを作る。 バスタオルなどの柔らかい枕にする。

 ②努めて硬いものを噛む     生野菜の大きめのカット

 ③口腔内の乾燥を防ぐ。     口呼吸ではなく、鼻呼吸へ。   ぬるぬるした食材を食べる

 ➃酸性度の高い食べものを食べた直後に歯を磨かない。     うがいをしてからとか、 アルカリ性の水でうがいする、30分後に磨く

 ⑤だらだら食べない        糖質は制限する

 ⑥きちんとした根の治療を受けること   アメリカでは神経を取った歯が6年経ってダメになっても訴訟ができないほど。

                           歯茎は10年で2mm下がる

 ⑦良い歯医者を見極める     私のようなブログを書く歯科医師(笑)

 ⑧年に1度の定期健診       年2回がもっと良い。3か月に1度のクリーニングは必須。月1ならもっと良いと思う。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 08:04

2017年03月08日

糖尿病の血糖値のコントロール目標

 同じ文芸春秋の記事から。

 日本糖尿病学会は血糖値のコントロール目標を、ヘモグロビンA1cで6%未満としていました。

 2016年5月、その学会が高齢者の目標値を緩めました。

 認知機能が正常で日常生活が自立している人は、目標値が7%未満に

 中等度の認知症やADLが低下している人、機能障害がある人、低血糖が危惧される人などは、7.5~8.5未満に。

 これは、糖尿病の薬を服用して、低血糖になってしまった時のほうが死亡率が高いためです。

 若い人は6%以下を、高齢者は7%以下を目指して、

 運動療法や食事療法を頑張った方が良いとしています。


 そう考えると、歯周治療で血糖値が下がるという事例は、推奨していって良さそうですね。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 08:18

2017年03月07日

65歳からの薬の飲み方

 文芸春秋の2016年11月号での鳥集徹ジャーナリストのレポートから。

 厚生労働省の調査によると、

 70歳以上の51.5%が「血圧を下げる薬」を飲んでいるそうです。

 次に多いのが、「コレステロールを下げる薬」で24.8%

 その次が、「血糖を下げる薬」で11.7%。 (平成26年国民健康栄養調査)

 2013年東京都健康長寿医療センターが、都内の自宅に暮らす65歳以上の高齢者885人を調査したところ、

 6種類以上の薬を飲んでいた人が、36%

 10種類以上飲んでいた人は 9%

 最多は17種類だったそうです。


 東京大学医学部の調査で、薬が6種類以上になると、急激にその有害事象がふえると報告している。

 飲まない体づくりが一番良いのは当然ですね。

 私は、いつの間にか、血圧が上がっていて、同級生の医師に、「薬飲む?」と聞かれて、

 「薬飲むくらいやったら、たばこやめる」と言って、

 気合だけで、20歳から吸っていたタバコをきっぱりやめました。

 (美談のつもり)
  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 08:11

2017年03月06日

歯の数と認知症の関係

 渡邊誠教授のレポートから。

 歯がたくさん残っていると何故認知症になりにくいのか。

 これは、今後の研究を待たなければならないとしたうえで、

 歯の根の周りに付着して、クッションの役割を果たすとともに、

 その感覚刺激が強くかみすぎとか、堅いものであるとかを

 脳に伝える働きをする歯根膜のためではないか。

 歯根膜という受容器が最もシャープで、

 歯根膜の次が 口腔粘膜も近い働きをし、

 その次に、 インプラントなどの骨膜もそう働きます。

 上下の歯があたる、

 入れ歯でもあたる

 ことにより、脳へ刺激や活性化につながるということです。  


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2017年03月03日

高齢者の口腔状態と全身機能

 同じく、渡邊誠教授のレポートから。

 認知症に対して「正常」と判断されたグループの残存歯数が平均14.9本で、

 認知症の「疑い」のグループは平均9.4本と

 有意な差が出たそうです。  


Posted by 中原歯科医院 院長 at 08:11