2011年02月08日

カルテ②

 近所にある行政機関に勤める夫人は5年ほど前からの当医院の患者さんでした。
1年ほど前に定年退職となり約25Km離れた実家から通っておられます。
 先月そのご主人が初めて来院され、前歯のブリッジがぐらぐらで奥の入れ歯も合わず何とかしてほしいということでした。
 診てみると、その4本ブリッジは2本が既に抜けた状態で、残りの1本でもっている状態、歯型を取るだけでそのまま抜けてしまいそうな感じでした。ご職業は行政機関幹部。職場はうちから約70kmでした。
 入れ歯はいくら急いで作っても10日はかかります。
 歯が抜けてしまうと10日間はどうにもなりません。

 思案して、歯型を取るときに前歯には材料が裏面しかかからないように調整して、両側の奥の歯肉はしっかり型どりできるようにして行いました。外す時も慎重に行い上手く歯が抜けずに歯型が外れました。
 その後、「歯の自然脱落が早いか、完成が早いかですね」とした上で、仕事を進め、本日
めでたく、抜歯して総入れ歯を入れました。

 かみ合わせが狂っていると取り返しがつかないのですが、うまくいってほっとしています。

 「歯を抜いてから入れ歯を作ると、その間どうなるの?」と心配しておられる方には朗報のお話でした。



Posted by 中原歯科医院 院長 at 19:31