2011年04月19日

カルテ③ 急性根尖性歯根膜炎

 先日、患者さんの紹介で25歳くらいの青年が激痛で来院されました。

 「以前、顎関節症と歯ぎしりでマウスピースを作ってもらっており、顎が痛くなったのではめていたら
 下の前歯全体が浮いた感じで痛い」とのことでした。

 普通に考えると、歯ぎしりや食いしばりによる害で前歯が弱って動き始め、痛んでいると考えますから、
少しかみ合わせの調整をして、とりあえず痛み止めで様子を見ましょうとなります。

 午前の診療で診て、夕方電話があり、「まだ痛いので、どうすればよいか」との内容だったので、
もう一度来てもらいました。

 浮いた感じは朝よりもひどい感じがし、調べて触るだけで患者さんは涙ぐんでいました。初診なので性格や痛みに対する感じ方がよく分からないところですが、涙が出るほど痛いのはおかしい。

 前歯全部が浮いて痛いし、虫歯はないし、根の治療したところもないのですが、1本だけ根の先に少しだけ
灰色程度の影がありました。

 「この状態では、麻酔しても無駄だし、根の治療をするにしても無駄な治療が含まれることになるので、
違う薬を試して、明日の朝、決断させてほしい」と言って、抗生物質を投薬しました。

 翌朝、前歯の様子を聞くと幾分ましだが、まだ痛いとのことで、私の思う1本の歯を治療し始めました。

 麻酔なしで、穴をあけると、その穴から膿がどばーっと出てきました。

 麻酔を打っていたら、腫れがひどくなります。

 虫歯がなくてもたまにこんなことが起こることがあるのです。

 しばらく、チェアで時間をおいて、痛みの具合いを尋ねると、スーッとしましたと笑顔でした。

 1日遅くなりましたが、上出来の診療だと思いますよ。

 



Posted by 中原歯科医院 院長 at 18:51