2011年11月04日

カルテ⑪ 根先の治療

 先月、長年治療に来られていた患者さんが久しぶりに来院されました。

 「右の上の前歯が腫れて、近くの歯医者で3か月治療してもらっていましたが(悲しい、、、)、治らず、抜歯と言われたので、先生なら何とかしてもらえるかもと思って来ました」ということでした。

 確かに、腫れがひどく体調のこともあって、治癒は相当難しいと思いました。

 抜かないで治す方法について、2通りを説明して、一つの外科処置を勧めました。

 了解を得て、手術をしました。

 歯肉は粘膜と骨膜からなっており、手術では、一緒にめくるのが普通ですが、骨を作る骨膜を慎重に残したい為に、2層に分けてめくって処置しました。

 これによって、縫合も2層となり、歯科では吸収性の縫合糸を全くと言っていいほど使わないので、通常の縫合糸で縫合しました。

 経過は良好で、腫れは消失、患者さんも喜んでおられます。

 難点は、粘膜下の縫合糸を除去することです。

 先ほど、記憶していた個所に切開を入れ、下層へ進めると、縫合糸が現れ、無事除去でしました。

 満足です。

 レントゲンに映らない内部のものを除去で来て、

 ちょっと、ブラックジャックになった気分です。




Posted by 中原歯科医院 院長 at 11:56