2012年02月22日

「世界を変えた10冊の本」⑨「雇用利子および貨幣の一般理論」

 今日は特に「2」多い日ですね。 

 イギリス人、ジョン・メイナード・ケインズが1936年に発表し、ケインズショックとも言われる、世界の経済学者に衝撃的な影響を与えた本が、「雇用、利子および貨幣の一般理論」です。

 以前の経済は企業の自由競争社会で、1929年の世界恐慌をはじめ深刻な経済不況が起こっていました。
 各国政府は景気が悪化すると、均衡財政政策を取り支出を減らしたり、賃金の切り下げに踏みきっていたために悪循環を繰り返していました。

 ケインズの考えは、「今の経済は、完全な雇用を与えることが出来ず、富と所得の分配が恣意的で不公平である。このまま放置しておくと失業を多数生み出したり、不況を深刻化させたりするので、政府による積極的な財政政策が必要だ」というものでした。
 今ではあたりまえに思える考えですが、当時では画期的なことで、多数の「ケイジアン」を生み出しました。

 「非自発的失業」「乗数効果」「消費性向」「累進課税」「流動性選好」「美人コンテスト」「流動性の罠」「自動安定化装置」「ハーベイロードの前提条件」などの言葉を生み出しました。

 ケインズ理論によって、景気の周期によっておこる不況が深刻にならずに済むようになりました。
 
 ただし、この理論では、恒常的な物価上昇と賃金引下げが行われ、インフレ傾向が根付くこと。

 不況で財政支出を拡大した後、景気が回復しても、政府は財政支出を減らさないために、また、乗数効果の低下を招き、恒常的な財政赤字に悩まされるようになってしまうのです。



Posted by 中原歯科医院 院長 at 12:22