2012年11月30日

インド哲学悟りの真理④ 般若心経②

 日本語に訳すと以下となります。

① 観自在菩薩が、深遠なる「智慧の修行」をしていた時、
  この世のあらゆる存在や現象が、
  空である(実態がない)こと悟り、
  すべての苦悩から解放された。

② シャーリプトラよ、
  色は空に異ならず、
  空は色に異ならない。
  色はこれ即ち空であり、
  空はこれ即ち色である。
 
  感じること、想うこと、判断すること、意識すること
  これらの精神作用もすべて空である。

  シャーリプトラよ、
  この世のあらゆる存在が空なのだ。
  生まれることもなければ、滅することもない。
  汚れることもなければ、綺麗になることもない。
  増えることもなければ、減ることもない。

③ ゆえに、この空の世界においては、色はなく、
  感じること、想うこと、判断すること、意識すること、
  これらの精神作用もない。

  目も、耳も、鼻も、舌も、身体も、意識もない。
  それらが感知する色も、音も、匂いも、味も、感触も
  意識の対象もない。
  眼で見た世界から、意識で想われた世界まで、
  そのすべてが無いのだ。

  無明もなく、無明が尽きてなくなることもない。
  老死もなく、老死がなくなることもない。

  「人生は苦である」という真理(苦諦)も無い。
  「苦の原因は煩悩である」という真理(集諦)も無い。
  「煩悩を無くせば苦が消滅する」という真理(滅諦)も無い。
  「煩悩を無くす道(修行法)があるという真理(道諦)も無い。
  知ることも無く、得るものも無い。
  もともと得るということが無い。

④ 菩薩たちは「智慧の修行」をしているがゆえに
  心にこだわりが無い。こだわりが無いゆえに、恐れも無い。
  転倒した認識の世界から遠く離れ、安らぎの境地に達している。
  三世(過去、現在、未来)のすべての仏たちは
  この「智慧の修行」により、完全なる悟りに達するのだ。

  ゆえに人は知るべきである。
  「智慧の修行」の偉大にて神秘的な真言(呪文)を、
  明らかなる真言(呪文)を、
  超えるものなき真言(呪文)を、
  並ぶものなき真言(呪文)を。
  それはすべての苦しみを取り除き、
  真実であり、偽りなきものである。

  では、その「智慧の修行」の呪文を説こう。それはつまり次の通りである。
  ギャテイ、ギャテイ、ハラギャテイ、ハラソウギャテイ、ボウジソワカ!
  (往けよ、往けよ、彼岸へと往けよ、彼岸へと完全に往きつく者よ、それが悟りだ、幸あれ!



Posted by 中原歯科医院 院長 at 04:19